【観測記録 #002】WannaCryサンプル捕獲と台湾発のWordPress狙いSSH試行 — Dionaeaログ+CVE-2026-4314
本記事について 本記事はセキュリティ研究および防御目的の情報共有を意図したものです。 観測されたIoC(IPアドレス・ドメイン)はディフェンス目的での記述であり、 攻撃手法の助長を目的とするものではありません。 記載内容の利用はご自身の責任でお願いします。 概要 国内NTT網VPSに設置したT-Potハニーポットの観測記録 です。(2026/03/22観測データ) DionaeaがWannaCry関連のファイルをキャプチャ Cowrieで subtitle / wordpress / here / the というユーザー名によるSSH試行が増加。発信元は台湾(TW)に集中 1. Dionaea — WannaCryサンプルを捕獲 Dionaea(SMBハニーポット)でWannaCry関連と思われるファイルがキャプチャされました。 サンプルの概要 WannaCryは2017年5月に流行した、MS17-010(SMBv1の脆弱性群)を悪用するランサムウェアです。ワーム機能を持っており、感染端末が自動で次のターゲットを探索・感染させます。キルスイッチの登録により暗号化活動は止まっていますが、自己拡散部分は今も動き続けています。 今回キャプチャしたサンプルはVirusTotalのタグに cve-2017-0147(EternalChampion)が付与されており、EternalBlue(CVE-2017-0144)と同じMS17-010ファミリの一員と考えられます。Florian Roth氏が2017年5月12日に作成したYARAルール(Identifier: WannaCry)にもマッチしており、初期アウトブレイク時のサンプルと同一またはそれに近いものと見られます。 現代のセキュリティ製品であれば問題なく検知・ブロックできると思います。ただ、2026年になっても未パッチ環境を探してインターネットを漂い続けているという点は、それはそれで興味深い観測でした。 IoC 種別 値 MD5 eca5e61b6f451e27ff95c5c7c0571d67 SHA256 5dd55be03544553363ea4236ec0eb8ccfdc00b946783ebbc3126d19f463373af ファイル種別 PE DLL(overlayあり) VT タグ pedll overlay cve-2017-0147 exploit spreader YARA マッチ WannaCry (Author: Florian Roth, 2017-05-12) VirusTotal: https://www.virustotal.com/gui/file/5dd55be03544553363ea4236ec0eb8ccfdc00b946783ebbc3126d19f463373af 対策 SMBポート(TCP/445)をインターネットに公開しない シグネチャなどupdate系を最新に保つ(これだけで十分対処可能) 2. 台湾発のSSHブルートフォース — WordPress狙いの試行 何が起きたか Cowrieのログで、普段とは異なるユーザー名によるSSHログイン試行の増加を確認しました。 subtitle / wordpress / here / the 発信元は台湾(TW)に集中しており、短時間に集中したバースト攻撃でした。 ...